巨人の補強:炭谷編

1.巨人、炭谷を獲得

いま体調を崩していて、勉強に集中できないのでブログを更新します。今回は巨人が炭谷を獲得した事について書きます。もっと細かく言うと「現在の巨人の捕手事情に炭谷は必要なのか?」みたいな感じです。なお、炭谷の人的補償として西武に移籍した内海には今回あまり触れません(大事な論点ですが、長くなってしまうので)。かつ、最近報道に出ている阿部の捕手復帰の噂もスルーです(実際に捕手が出来るのか、かなり不透明なので)。

結論を先に言っておくと:小林と大城の併用で良くない?

図1は現在の巨人の戦力事情を視覚的に表しています。ぶっちゃけ今回の記事には全く必要ない図ですが、せっかく作ったので載せます(退団が決まっている中井、ほぼ確実に引退するマギーも含んでいます)。そして見にくくてすいません。ちなみに炭谷(30歳)のWARは0.4です。

結構やっつけ仕事なので、データに間違いがあったらすいません。ちなみにこのブログ記事に載っている全ての図のデータ元はデルタです。

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図1

図1を作って思った事:(1)必然的に若手の方が総WARは高くなります。と言うのも、年を重ねれば重ねるほどプロ野球界で生き残っている確率が低いため(2)吉川尚はいい仕事をしているから、浅村を獲得しなかったのは正解(3)坂本はすごい(4)田中俊が思ったより数字が良かった。

 

2.打撃

今回はwRC+のみに着目します。簡単に説明すると、wRC+は得点貢献に球場補正をかけた指標です(100が平均的な選手)。ちなみに宇佐見は打席数(サンプル数)が足りないので省きます(故に数字が極端)。wRC+はサンプル数が少ないと、大きく変動するので。よって炭谷の打席数が比較的安定する2011年以降の数字だけを見ます(唯一wRC+が100に達している年は1打席しか立っていません)。

思った事:小林の1年目のwRC+(88)は高いけど、おそらく2017年や2018年の成績の方が小林の「真」の実力に近い。検定や分析を一切やらずに、完全に視覚だけを頼りにした感じで言うと「小林と炭谷の打撃はそんなに変わらない」って感じですかね。(個人的にはパ・リーグセ・リーグでどのぐらい炭谷の数字が変わりえるのか気になる所です)

ちなみに大城のwRC+は85です(202打席)。ただ1年目の数字って当てにならないので、ちょっと何とも言えないです。ただ主観的に言わせてもらうと、可能性を感じさせてくれるバッティングをしていると思います。

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図2

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図3

 

3.守備

守備はUZRを用いります。捕手同士を比べているので、ポジション補正をかける必要はありません。ちなみに計算式は何だか分かりません。とりあえずデルタはこんな事を言っています:

ただし打球の処理が主な役割ではない捕手についてはUZRによって有効な評価を行うことができないため、盗塁阻止・捕逸・暴投・失策の多さに得点価値を乗じて得点化した他の野手とは異なる評価を行っている。

なぜか大城を図に入れてしまいましたが、今更エクセルで変更するのもめんどくさいのでそのままにします。ちなみにデータは2014年以降のしかありませんでした。

思った事:炭谷のUZRは年々下がっている。守備がダメだから、イニング数が減っているのか。もしくはイニング数が減っているから、守備がダメになっているのか。それとも森友哉のせいなのか。因果関係は謎ですが、とりあえず記述統計上のUZRは下がっています。それに比べ小林は安定しています。そして大城のUZRはマイナス。

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図4

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図5

 

4.結論

炭谷と小林の打撃はそう変わらない。守備はいまいちだけど、将来的に成長する可能性がある大城(打撃は既に炭谷より上だと考えてます)。そう考えると小林と大城の併用で良い気がします。

戦力層を厚くするために炭谷を獲得する、って考えもあるかとおもいます。しかし炭谷は3年契約らしいです。しかも年俸は1億5千万。 即戦力としてあまり期待できない(少なくともアップグレードにはならない)選手にここまでの好待遇。それに加えて選手枠を使い、内海が移籍する。割に合わないと思います。

メモ用:買いたいアルバム

これは自分用のメモです。2018年にリリースされたヒップホップのアルバムで欲しいものをリストしたものになります。何か他にお勧めがあれば、教えてください:

Vince Stales - FM!

Jay Rock - Redemption

JID - DiCaprio 2

Pusha T - Daytona

B.E.N.N.Y. The Butcher - Tana Talk 3

DJ Muggs x Roc Marciano - KAOS

Phonte - No News is Good News 

Black Thought - Streams of Thought Vol. 2

ASAP Rocky - Testing

 

おまけ:

2018年の一番好きな曲はこれです。

因果推論について:刑務所に入ると収入は減るのか?

社会学に関する投稿は短めになります。殆どメモです。だけどその代わりに5分ぐらいで読める内容なので、通学中・通勤中にでも読んでみてください。

今回は刑務所と因果推論についてです。アメリカの社会情勢を追っているとよくMass Incarcerationって言う単語を聞くと思いますが、それに関連する内容です。正直Incarcerationをどう訳せばいいのか分からないので、おおまかに「刑務所」と訳しました。

それで刑務所に関してですが、アメリカの研究で「刑務所に入る事によって、出所後の収入は減るのか?」みたいな議論があります。だけどこの研究をするなら、大きな壁を二つ乗り越えなければなりません(他にもありますが、この二つがメインだと思います)。それを図表化しているのが下の図1になります。超素人作りですが、これ僕の修士論文で使いました。てへぺろ。引用無しに使ったら、地の果てまで追いかけます。なお、今回の記事では「なぜ刑務所に入ると収入が減るのか」に関する議論には触れません。

一つ目は選択バイアス。例えば低学歴である事が「入所」と「低収入」両方に繋がるのであれば、「入所」と「低収入」は疑似相関ってなります。言い方を変えると「入所しようがしなかろうが、低学歴の人の収入は低い」って事です。もしそうであれば、貧困問題を解決する際は刑務所に目を向けるのではなく、教育格差に手を付けなければなりません。ただこれは「収入」だけに着目しているので、決して刑務所が無害であるとは言っていません(例:刑務所が家族関係や健康状態に与える悪影響)。

二つ目は。。。どう訳せば良いのだろうか。とりあえず入所をする場合、大抵の場合その前段階で「逮捕」や「有罪判決」のプロセスがあります(勿論色んなバリエーションはあります)。日本の事は正直良く分からない(逮捕されてからの拘留期間長すぎじゃね?)けど、とりあえずアメリカだとこうなります。そうなると出所後に見られる低収入は「刑務所」の影響ではなく「前科」によるものであるという可能性が出てきます。もし「前科」が「低収入」に繋がるのであれば、刑務所に入らなくても低収入になってしまうって事です。逆に言えば冤罪・証拠不足・その他の理由で「前科は付かないけど、刑務所に入っていた」人となると、「前科」はないので収入は減らないです。

あと今回は詳しく触れませんが、アメリカの刑務所は基本的に(1)地方が管理しているJail(2)州が管理しているPrison(3)政府が管理しているPrison、の3つに分けられます。その違いも考慮していく必要があります。これについて興味がある方はこのレポートの4ページ目を読んでください。

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図1(chofu24 2018)

とりあえず難しいって事です。興味がある方以下の論文を読んでみてください。

Apel, Robert, and Gary Sweeten. 2010. "The Impact of Incarceration on Employment during the Transition to Adulthood." Social Problems 57(3):448-479.

Freeman, Richard B. 1992. “Crime and the Employment of Disadvantaged Youths.” Pp. 201-237 in Urban Labor Markets and Job Opportunity., edited by G.E. Peterson and W. Vroman. Washington, DC: Urban Institute.

Grogger, Jeffrey. 1995. “The Effect of Arrests on the Employment and Earnings of Young Men.” The Quarterly Journal of Economics 110(1):51-71.

Harding, David J., Shawn D. Bushway, Jeffrey D. Morenoff and Anh P. Nguyen. 2018. “Imprisonment and Labor Market Outcomes: Evidence from a Natural Experiment.” American Journal of Sociology 124(1):49-110.

Kirk, David S., and Sara Wakefield. 2018. “Collateral Consequences of Punishment: A Critical Review and Path Forward.” Annual Review of Criminology 1:171-194.

Kling, Jeffrey R. 2006. “Incarceration Length, Employment, and Earnings.” American Economic Review 96(3):863-876.

Loeffler, Charles E. 2013. “Does Imprisonment Alter the Life Course? Evidence on Crime and Employment from a Natural Experiment.” Criminology 51(1):137-166.

National Research Council (NRC). 2014. The Growth of Incarceration in the United States: Exploring Causes and Consequences. Washington, DC: National Academies Press.

Needels, Karen E. 1996. “Go Directly to Jail and Do Not Collect? A Long-Term Study of Recidivism, Employment, and Earnings Patterns among Prison Releasees.” Journal of Research in Crime and Delinquency 33(4):471-496.

Pager, Devah. 2007. Marked: Race, Crime, and Finding Work in an Era of Mass Incarceration. Chicago, IL: University of Chicago Press.

Pettit, Becky, and Bruce Western. 2004. “Mass Imprisonment and the Life Course: Race and Class Inequality in U.S. Incarceration.” American Sociological Review 69(2):151-169.

Western, Bruce. 2002. "The Impact of Incarceration on Wage Mobility and Inequality." American Sociological Review 67(4):526-546.

Western, Bruce. 2006. Punishment and Inequality in America. New York, NY: Russell Sage.

Western, Bruce, and Becky Pettit. 2010. Collateral Costs: Incarceration’s Effect on Economic Mobility. Washington, DC: Pew Charity Trusts.